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ポジティブ心理学研究所

幸福度(EQ)アップの研究所です。ポジティブ心理学に出会う前の古い記事はネガティブなので注意。

将棋電王戦はA級棋士三浦が敗れた時点でおおかた決着がついたと思ふ

インターネット 囲碁

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サトシンこと佐藤紳哉六段がトーナメント第4位ソフト、やねうら王との戦いに敗れた。

実はこの戦いの前日にちょっとした騒動があった。

やねうらおとサトシンの騒動

やねうらおこと磯崎氏がやねうら王にバグがあるためにそれを修正したバージョンで本番を戦わせて欲しいと申し出た。
それをドワンゴ側は承認。これは本番より6ヶ月前から棋士側にソフトを貸し出し、ソフト側はそこからソフトの修正を行わないというレギュレーションに反したことになった。

これに対してサトシンは猛反発する。サトシンによると修正されたバージョンは明らかに強くなっているという。やねうらおは強くなることはないと互いの意見は食い違いを見せた。

結局騒動が大きくなったためか、やねうら王はバージョンアップ前の元のバグありのままのソフトで戦うことになった。

これは修正前のいわば「弱い方のやねうら王」ということになる。

佐藤紳哉六段は第三回電王戦発表時のPVでは「強い相手と戦いたい」という言葉があった。だが実際にはやねうら王が強くなったことに反発することなった。

「サトシン」が「ホーシン」となる

そして迎えた本番では「弱いほうのやねうら王」に負けてしまった。

この結果は佐藤紳哉六段にとってかなり残酷なこととなった。

この瞬間、私の中でもうソフトが完全にプロを上回っているという結論が99%から100%揺るがないものとなった。

戦いに敗れたサトシンは終始放心状態になっていたことが印象的だった。

かなり人間側に配慮のある第三回電王戦

第三回電王戦は、上記にも書いた通りかなり人間側に配慮されたルールとなっている。プロ側は半年間ソフトを研究できるのに対し、ソフト側はそこから手をつけられない。さらに、去年は使用されていたクラスタ構成は禁止となった。

それでもプロはソフトに勝つことができなかった。

思うにプロとプログラムとの決着は第二回電王戦ですでに決していると思う。

第二回電王戦では、現役A級棋士であり、今もタイトル戦に挑戦することのある三浦弘行九段がソフトに敗れた。第二回ではクラスタ構成がありで、第三回ではクラスタではないという差異もあるが、プロとソフトの決着はおおよそ、三浦九段が敗れた瞬間に決したと思う。

現役A級棋士が破れ、もう並の棋士ではソフトに勝てないことが公然となった。

しかし、出場者の人選は引き続いてタイトル戦からは遠いプロとタイトル戦に近いプロとの混合になっている。

そして第三回電王戦では既に菅井竜也五段と佐藤紳哉六段が破れている。戦った相手はそれぞれトーナメント5位の習甦と4位のやねうら王だ。

ここからの相手は3位〜1位とこれよりもさらに強いソフトとなる。

もはや並の棋士では勝てないことは決定的となっているのだから、電王戦ファンの興味はトッププロとソフトとの戦いに移っているのではないだろうか。

ソフトトップ5には棋士のトップ5をぶつける時

結論の見える勝負に意味はない。ソフトの棋力は繁栄を極め、そこまでの時局に来ている。

トッププロの出し惜しみを止めて、ソフト5強とプロ5強が戦うことが本当のソフト対プロの勝負と言える。

まだ第三回電王戦は終わっていないが、既に来年の構想は立てているだろう。

A級棋士が負けているのに引き続いて破れている棋士より格下の棋士を選出するのか、トップをぶつけてくるのか。興行を盛り上げるドワンゴと将棋連盟の手腕が試されている。

それと同時に私は電王戦の意義に疑問を感じてきた。

プロ側に残酷な結果ばかり突きつけてしまう電王戦の意義とは

電王戦が企画された当初、コンピューターが挑み、人間に勝つ日「Xデー」はあるのかと言ったことが注目の大会になった。

しかしいざ蓋を開けてみれば第一回から第三回途中のここまででプロ側の1勝6敗1引き分けと、Xデーどころかプロがコンピューターに挑むというような様相を呈する惨憺たる結果となっている。

もはやソフトの棋力は並のプロを遥かに凌駕するものとなった。

加えて今回の電王戦はクラスタ構成ではなく、ドワンゴの提供したCPU:Intel Core i7-4960X、メモリ:64GB、GPU:Geforce GTX660の統一したハードウェアを使用することとなっている。

これはチェスチャンピオンを破った時のディープブルーのようなスパコンと呼べるような代物ではなく市販の性能で十分プロに勝つことができるということを意味している。

今回敗れた佐藤紳哉六段は局後、終始魂が抜けたような表情をしていた。棋士は人生を将棋に捧げて棋力を高めてきた。

一方、やねうら王は2週間の突貫工事で作られたソフトだという。こういったハードウェア構成でこういったソフト相手に負けては自分の積み上げてきたものが否定された気持ちになるのも当然だろう。

今回の結果はかなり残酷な面があると思う。クラスタを禁止してルールも前回より人間側に配慮した物となったことで、それが返って敗北の残酷性を高めることとなった。

将棋電王戦はもはやただの興行とはいえず、そのくらい残酷性のあるイベントとなった。

ソフトがこれからも強くなり、ここからもさらにどんどんと人間を凌駕していくのは見えている。果たして結末の見えている勝負で、何十万という大衆へ向けてここまで残酷に無情な現実を突きつける必要性はあるだろうか。

A級の棋士がソフトに完全に凌駕された今、それより劣る棋士をぶつける電王戦の意義とは一体なんなのか。

絶好の一手か、大悪手か

ここまで長々と今回の電王戦について思うことを述べてきた。

ライトユーザーの普及に貢献をしているという面もある電王戦だが、晩年のファンからはプロが次々と敗れる様に悲喜こもごもな意見もある。
今後の電王戦の影響によっては、米長永世棋聖は晩節に大悪手を指したと言われるようなことになるかもしれない。

とりあえず私としては羽生、森内、渡辺等のトップとの戦いに興味がある。

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